点線都道

(東京の車が通れない都道)

 車が通れない都道のなかには、多くの人で賑わう高尾山や御岳山の参道や、整備されたハイキングコースになっている都道があります。 登山道のような状況の都道のなかには、1m幅程度で舗装されていたり人道橋が架けられている都道もあります。 これらの都道を個別に紹介しています。

〔目次〕

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幅員1mぐらいの舗装された都道(水根本宿線)

写真出典〕当サイト撮影(H30.8)

点線都道とは

 地理院地図では、道路幅が1.5m未満の徒歩道を破線で描きます。 これを起源として、車が通れない国道を点線国道と言う方が多いようです。

 日常の感覚では、道路は車が通れるものと思いがちですが、道路には車が通れないといけないという決まり事はありません。 市町村道や里道の中には車が通れない道が相当あり、総延長が5万6千kmになる一般国道の中にも、4tトラックが通れない『自動車交通不能区間』が全国に144kmあります 1)

 この点線国道を歩いて昔の往来の困難さを体感したり、古い道路構造物を探したりする方もおられます。 点線国道は地域的に偏在していて、例えば東京都、千葉県、神奈川県には点線国道がないため、どこでも同じような事ができる訳ではありません。

 そこで、このページでは、東京都内の点線都道について、その特徴や歴史、現況を紹介します。

点線都道の概要

 東京の多摩地域には、9本の点線都道があります。

 一般車が通行できない都道のなかには、高尾山や御岳山のアクセスを確保するとともに、参道にもなっていて多くの観光客で賑わう都道があります。

 また、高尾山と日の出山を結ぶ都道のように、ハイキングコースとして整備され多くのハイカーに利用されている都道もあります。

 登山道のような状況の都道のなかには、地域の交通を確保するために、1m幅程度で舗装されていたり人道橋が架けられている都道があります。

高尾山と御岳山の点線都道

 高尾山はケーブルカーで登る人が年間70万人、御岳山は30万人という多くの観光客が訪れる東京有数の観光地です。

 高尾山や御岳山にはケーブルカーに併行して山上の活動を支える都道があり、一般車の通行はできないものの気軽に歩けるハイキングコースになっています。

 御岳山から日の出山に向かう都道もハイキングコースになっていて、多くのハイカーに利用されています。 奥多摩町やあきる野市に向かう裏参道は登山道のレベルの都道です。

 都道189号高尾山線

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高尾山線の概況(高尾山薬王院付近)

写真出典〕当サイト撮影(H30.7)

 高尾山には数本の登山道があります。 ケーブルカーに併行して山を登り高尾山薬王院に至る自然研究路1号路が、一般車は通行止めの都道189号高尾山線です。 舗装されたハイキングコースで1時間10分程度で高尾山薬王院までに登れます。

 高尾山薬王院付近の都道は、石畳舗装で路側には灯籠が並ぶ道で、多くのハイカーで賑わっています。

 御岳山ケーブルカー併行区間

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ケーブルカーと併行するつづら折りの都道

写真出典〕当サイト撮影(H30.8)

 御岳山の山上は、宿坊に泊まれるほか、神社や宿坊の関係者など130人程度の人が住んでいます。

 御岳山のケーブルカーに併行する都道201号十里木御嶽停車場線は、一般車通行止めで急勾配のつづら折りが続く軽自動車幅の舗装道です。

 ケーブルカーは424mの標高差を平均勾配22度で6分で登りますが、都道を歩いて登ると1時間20分程度かかるため、下りのみを歩く人が多いようです。

 御岳山駅〜日の出町つるつる温泉

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ケーブルカー御岳山駅付近の都道

写真出典〕当サイト撮影(H30.8)

 御岳山駅〜武蔵御嶽神社

 ケーブルカーの御岳山駅から武蔵御嶽神社の間は、都道201号十里木御嶽停車場線で、多くの観光客で賑わう一般車が通行止めの軽自動車幅の舗装道です。

 御岳山宿坊街〜日の出町つるつる温泉
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御岳山〜日の出山の概況

写真出典〕当サイト撮影(H30.8)

 御岳山宿坊街から日の出山を経て、つるつる温泉バス停までの間は、歩いて2時間強の徒歩道です。

 御岳山から日の出山までは、2本の都道の重用区間で、なだらかなハイキングコースとしてハイカーに人気です。

 日の出山から日の出町のつるつる温泉に下りる道は都道184号奥多摩あきる野線で、整備されたハイキングコースになっています。

 日の出山からあきる野市上養沢へ下りる道は都道201号十里木御嶽停車場線で登山道です。

 御岳山〜奥多摩

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道下に石積みがある点線都道

写真出典〕当サイト撮影(H30.8)

 御岳山から奥多摩町に向かって都道184号奥多摩あきる野線の奥多摩町側の車道終端までの間は、登り4時間、下り3時間の登山道です。

 この道は武蔵御嶽神社の裏参道で、道路として管理されていないものの、道下に昔の石積みなどが見られます。

奥多摩湖と武蔵五日市を結ぶ道

 奥多摩湖へは、JR青梅線や青梅街道を使って、多摩川沿いにアクセスすることが多くなっています。 しかし、トンネルを掘ったり、長い橋を架けることが難しかった明治時代までは、距離は短くても険しい尾根筋を越えなければならない多摩川沿いの道より、奥多摩町と檜原村の間の峠を越えて五日市へ出るルートの方が使われていました。

 現在も奥多摩湖湖畔から峠を越えて檜原村に下る2本の都道が、登山道として残っています。

 都道206号川野上川乗線(点線都道区間等)

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青梅街道と川野上川乗線を結ぶ麦山浮橋

写真出典〕当サイト撮影(H28.11)

 奥多摩湖に浮かぶドラム缶橋から山のふるさと村を結ぶ湖畔の小道と、山のふるさと村や檜原都民の森の中の都道は、公園の遊歩道として整備されています。

 山のふるさと村から風張峠を越えて檜原都民の森に至る都道は、登山道です。

 都道205号水根本宿線

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水根本宿線点線都道の奥多摩町側のルート

写真出典〕当サイト撮影(H30.8)

 小河内ダムから小河内峠を経て檜原村に降りる都道205号水根本宿線は、歩いて4時間程度の登山道です。

 奥多摩町側は、小河内ダムの堤体上で多摩川を渡り、水道局が湖岸に整備した奥多摩湖いこいの路の途中から、尾根を登り小河内峠に至ります。

 檜原村側には、尾根道沿いの自動車が入れる道路がない家の交通を確保するため、幅1mぐらいのコンクリート舗装がされた徒歩道があります。

江戸時代の甲州街道

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非舗装の山道と都道のキロポスト

写真出典〕当サイト撮影(H30.7)

 現在の甲州街道(国道20号)は、東京都と神奈川県の境を大垂水峠で越えています。 明治21年(1888)までは小仏峠を越える道が甲州街道で、明治天皇も通った道でした。

 小仏峠付近の2.7kmはハイキング道として整備された山道で、東京都側のバス停から神奈川県側のバス停まで2時間程度で歩けます。

 東京都側の山道は都道として管理されているようで、石垣やキロポスト、建設事務所の注意喚起看板などが見られます。

上成木川井線

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青梅市側の自動車通行不能区間に架かる橋

写真出典〕当サイト撮影(H30.10)

 青梅市の北部と奥多摩町の北部を結ぶ都道202号上成木川井線の名坂峠付近は登山道で、青梅市側のバス停から奥多摩町県側のバス停まで2時間強で歩けます。

 青梅市側はハイキングコースとして整備されていて、奥多摩町側の車道終端付近は林道と数回交差する道です。 この都道には、徒歩道の鋼橋や草に被われた舗装道などがあります。