厩橋

(天井の鋼材が少ないタイドアーチ橋)

 厩橋は春日通りが隅田川を渡る橋で、関東大震災の復興で架けられました。 下路式のアーチ橋ではあるものの、天井の鋼材などを少なくできるタイドアーチとなっています。

 初代の厩橋は、賃取橋として明治7年に架けられました。

〔目次〕

厩橋

厩橋

写真出典〕当サイト撮影(H30.2)

厩橋の諸元等

厩橋

厩橋

図表出典〕東京都、東京都の橋、2005、P.14

 厩橋(うまやばし)は、春日通り(かすがどおり)が隅田川(すみだがわ)を渡る橋で、関東大震災後の帝都復興事業で東京市が架け替えた3径間下路式タイドアーチ橋です 1) 2)

  • 橋梁名 ‥ 厩橋
  • 道路名 ‥ 春日通り(特例都道453号本郷亀戸線、補助第102号線)
  • 所在地 ‥ 東京都台東区駒形(こまがた)二〜墨田区本所(ほんじょ)
  • 創架 ‥‥ 明治7年(1874)
  • 開通年月日 ‥ 昭和4年(1929)9月30日
  • 橋長×幅員 ‥ 151.4m×21.8m
  • 型式 ‥‥ 3径間下路式タイドアーチ橋

現橋への架け替え(震災復興)

厩橋の歩道

厩橋の歩道

写真出典〕当サイト撮影(H30.2)

 厩橋は、関東大震災の復興計画で現在の補助第102号線の復旧として架け替えられました。 両岸とも近くに江戸通りや清澄通りとの交差点があって橋台部の盛土が2〜4m程度しかできないため、上路式にはできず下路式としたものの、天井の鋼材などを少なくできるタイドアーチ橋になっています。

 下部工は鉄矢板二重締め切りで、旧橋の橋脚を撤去して施工されました。 重力式の橋脚橋台は地盤が良好なため杭基礎が予定されていましたが、橋脚は杭の打ち込みができず、割栗基礎となっています 1) 2)

文化的意義

 厩橋は都選定歴史的建造物に選定されており、その概要は『優美な3つの曲線が連なるアーチとなっている』とされています 1)

 景観デザインとしては『3つのアーチが路面上に連続して連なる姿は、個性的で愛嬌すら感じる。 また橋全体には、馬などの直接的に地域性を表現するレリーフが施されている。』との評価も受けています 2)

厩橋の歴史

 明治〜大正時代

 木橋の架設

 明治4年(1871)に、民間で架橋したときに一定期間は料金を得て良いという制度ができ 1)、厩橋はその制度により民間で架けられました 2)。 初代の厩橋は、明治7年(1874)10月6日に竣工した橋長156m(86間)、幅員6.4m(3間半)の橋で、後に東京府に移管されました 3)

 鉄橋への架け替え
東京石川島造船所製品図集 厩橋

東京石川島造船所製品図集 厩橋

写真出典〕国立国会図書館HP

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/847164/60

 明治26年(1893)4月に下路式の錬鉄製で、中央径間はホイップルトラス、側径間はプラットトラスの鉄橋に架け替えられました。 橋長は157m(86.2間)、幅員は12.5m(6.9間)で、鉄材は米国より輸入し、橋台はコンクリート製、橋脚は井筒2基を連結する構造で、縦桁等に木材を多用していました 3) 4)

 この鉄橋には市電が通るようになるなど交通荷重が増加し、床部の鉄材の腐食が進んだことから架け替えが予定されており、上流に人車用の仮橋、下流に電車用の仮橋が架けられた状態で関東大震災を迎えました 3)

 関東大震災

 厩橋は、縦桁等に木材を多用していたため、火害により致命的損害を被り、現在の橋に架け替えられました 5)